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ニセ科学(1)「反ワクチン」 令和5年4月16日_文字起こし

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ヒバリクラブご覧の皆様こんにちは。武田邦彦です。

ええと、背景でお分かりになるかもしれませんが、久しぶりに家に帰ってきまして。今日1日だけですね。ちょっと私の研究会がありまして、ちょっと街頭演説の方はさぼらせていただきます。大変今日は重要な日なんですけど、研究会がずっと前から決まっておりましてね。仕方がないもんですから、そっちを優先させていただきました。

今日はですね、ちょっと挿入します。科学教室を始めたばかりで別に謝るわけじゃないんですが、ニセ科学に関するですね、討論会みたいなやつを聞きましてね。前からまあよく時々ご意見を聞いてる大阪大学の先生とか、それから、その他の京都大学の坂東雅子さんのチームの方とかですね、まあそういう方のいろいろ科学に対する考え方を今日は勉強いたしましてね。

その中でちょっとだいたいはもちろん意見同じなんですけど、じゃあちょっと違うとかありましてね、それも結構重要なところが違うんで、またこれをですね、ヒバリクラブでお話をしたいと思いました。

まあ、ネットは素晴らしいですね。まあ到底今までの商業的テレビっていうか、NHKも入れましてね、こういうレベルの話を聞くことはできませんので、とても参考になりますね。

ニセ科学の議論を聞きましてね、特に反ワクチン。ワクチンに反対してる人たちが、非常にニセ科学的である。まあ理解してないところもあるけども、ニセ科学的であるというお話をされておりまして。それも具体的にですね、特にあの子宮頸がんワクチンについてとかですね、今回問題になったようなワクチンについてもですね、いろいろお話をされております。

いずれにしても、ワクチンは無害なのに反対してるチームがいて、その中にはデータを自分で捏造したりしてる悪い人たちもいると。だから、まあむしろ社会運動としてはある程度納得できるところもあるけれども、科学としてはニセ科学の部類だというふうに言っておられます。

で、これについて私ちょっとですね、考えが違うもんですからお話をしたいと思いますが。ワクチンのことをじっくり調べますとね、最初の出てきたジェンナーの頃からですね、それから天然痘についてワクチンは非常に効いたという、天然痘撲滅にはワクチンが効果があったということとかですね、今までの世界のワクチンの研究の例ですね、それをずっと勉強しますとね、私はあの哲学がまず大事だと思ってるんです。

ワクチンが科学であるかとかね。反ワクチンが社会的におかしいとかですね。そういう議論の前に、我々科学者はですね、私科学者として発言するんですが、科学者はですねこのワクチンについてやっぱり、もう1回よく反省しなきゃいけないと思ってんですね。

それはワクチンの副作用とか、そういうことを言おうとしてんじゃないんですよ。すぐそういうふうに誤解されてですね、こうBANされたりしますが、私は科学者ですからね、ちょっと視点が違うんですよね。

私はね、医療っていうのはどういう時に許されるかっていうとですね。今までの医療の概念っていうのは病気をしてる人を治すというのでですね、ほぼ固定されてるんですよ。

で、例えば私が考える医療っていうのはですね、まあ今まで世界で医療と考えられてるものっていうのはですね、病人を治す。だから注射が許される、もしくは診断すらそうですね。なんかわけのわかんない医者という人がですね、はいあのちょっと着物脱ぎなさいって言ってですね、聴診器と当てたりして、あれ失礼なことですよ。ね、実に失礼ですね。

我々お医者さんの前以外で胸をはだけて、そこに聴診器を当てられるなんて屈辱は味わわないんですが。もちろん、注射っていうのはね、あれ障害行為ですよ。だって針を体に刺すんですからね。絶対障害ですよ、あれ。だけど、それが許されてる。

医者が注射をしたりね、それから、はいあの着物脱いで胸を出してくださいなんてこと言えるのはなぜかって言いますと、私が病気してるからなんですよ。病気をして助けてくれと言ってるからなんですね。本人が助けてくれて言ってるから、病気でもですね、家で寝てなんかそのまま直すっていうんだったら、医者んとこは行かないし。あの胸をはだけろったって、はだけませんよ。それから、注射嫌だって言いますからね。

ですから、これはあの社会的にはですね、どういう立場かっていうと、医者という専門家が専門家んとこに尋ねてきた病人を治す、時には手術もする。手術をするってことは、医者が手術ができるとか体にメスを入れられるっていうのは、その来た人の命とか苦しみを治すためなんですね。だから、医療行為が認められてるのは、病人に対してなんですよ。

で、これはこれから変わってもいいんですよ。全然変わってもいいし、もうすでになし崩し的に変わってるところもあるんですね。例えば、健康診断とか、それからワクチンとかですね、予防医学と称するものですね、これを逸脱してるわけですね。逸脱するのもいいと思います、私はですね。

究極的な目的は、これ間違えないでくださいね、私ここ反対してんじゃないんですからね。何でもこの頃2つの黒白に分けてね、全く動かしちゃダメよと。これいいの悪いのって言ってるけど、これは科学ではありませんからね。科学っていうのは、ちゃんと考えるのが科学ですね。議論も冷静にできるのが科学ですから、そこ間違えないでくださいね。

で、これレッテル張りがあるんですよ。実はね、今度ちょっとしばらくね、このヒバリクラブのコメント欄をやめようと思ってますね。あのいつも楽しみに見てるんですけど、なんか意図が違う人がいるんですよ。結構多くね。文句つければいいとかね。なんかそういう人たちがいて、なんかね、それはもう前向きじゃないから私嫌なんですね。読むのも嫌なんですね。

だから、それもありましてね。せっかくご協力してくれてる人もいますので、悪いんですけど、やっぱり物事は前向きじゃなくて嫌なんで、ちょっとあのこのコメントを出してくれてる人ね、ヒバリクラブやってくれてる人と相談しますが、一応一時コメントをやめようかと思ってます。

それと同じようにね。ワクチンのこと私が話すとね、お前は反ワクチンなのかとかね、レッテル貼るとか。お前は医学を知らないのかとかね。お前材料工学なんか他のことは黙ってろとかね。そういうことを言うとね、もう何が人間生きてんだかわかりませんからね。

私はまあもちろんがんの研究もしてますしね。医療の研究もしてるし。それから人間という物体がどのように劣化するかっていう、これ高分子なんですよ。これ材料なんですね。人間の体って材料ですから、材料の劣化っていうのは僕が多分、専門学会誌では一番多く論文出してると思います。こんなこと言いたくないんですよね。学者は何でも一応勉強しとかなきゃいけないわけですから。だけどまあね、そういうことです。

私がワクチンのことを言ってるんですが、何を言ってるかって言ったら、私はですね、この際ですね、ワクチンがこれだけ使われるようになったし、将来は有望かもしれない。医療としてね。だからこそ、元気な人に治療とか医療行為は許されるのかっていう、この哲学問題は僕引っかかってるんですよ。

今までは原則が決まってたんですね。その病人を病気になってる状態よりか良くすることができれば、例えば、まあなんかで死ぬ可能性があるから、もう大手術しても直そうとかね。まあそういうことが基本になっていると、僕は考えていたわけですね。ですから、メリットとデメリットがちゃんと釣り合ってると。それを簡単に僕は言ってたのは、医者が注射をしても、傷害罪で訴えられないのは、病気を治すことができるからだと。それから、患者さんの合意も得てるからだと、いうふうに言ってたわけですね。

だから、これはワクチンの場合ちょっと当てはまらない場合があるんですね。健康な人に注射をするっていうことなんで。これは今までの医療行為の概念と違うもんですからね。それをまず、はっきりさせた方がいいっていうのが僕の一つの考えなんですね。

それから、薬ってのは基本的には副作用があるんですが、ひどい時は死ぬ可能性もあるし、麻痺なんかする可能性もあるんですけどね。それは、病気の持つ危険性に対して、治療の危険性が何分の1以下だったらっていう規則を決めた方がいいと思うんですね。そうするとまあ訴訟なんかなった時もすっきりしますよね。

だから、そういったものをどういう風に考えるかっていうことですね、最近では、血圧が厚生労働省が決めた血圧の基準を上回ってた人に対して、医者は血圧降下剤を出さなきゃいけないというな、慣習化しつつあるんですけど、これもどうだかわかんないんですね。これはまだ本人は病気じゃないんです。だけども、近代医療としては予防のために血圧を降下させておいた方がいいという考えもあります。

ただ、血圧は標準的に年齢プラス90がいいという医学もすごくありますからね。ですから、血圧降下剤を出すということは、医療行為じゃないかもしれないんですよ。単なるお医者さんが金儲けのために、血圧降下剤を出してるとしたらね。それやっぱりそっちがニセ科学なんですよ。

私に言わせれば、そういうことをちゃんと決めずにですね、医療行為じゃないのに医療行為をすると。医療の幅を広げるなら、その哲学がいるんですね。元気なんですからその人はですね。

だけど、例えば、近々インフルエンザにかかるだろう、確率はよくわかんないけどだろう、だから本人が了承してなくても無理やりインフルエンザワクチン打つとかね。それじゃあちょっとね、僕弱いと思うんですよ。

これワクチンを推進する人にも良くないことだと思うんですね。ワクチン推進とか半ワクチンとか関係なく、僕の言ってることはね。やっぱりちゃんとした社会のルールっていうか考え方とか哲学をね、ちゃんとした方がいいってことなんです。

なぜこれを言う気になったかって言ったら、今日すごくね、優れた人で本当に誠意ある人が胸筋を開いて議論されてました。ですから、全然悪い気がしなかったんですけども、そこでワクチンのこと話されてる時に、患者が病気でなくて、患者が同意しなくても、ワクチンを打つべきだというようなこと言っておられましたんでね。

これやっぱりちょっと科学とはいえないじゃないか。それこそエセ科学じゃないかと思いましてね。ワクチンはエセ科学からちゃんとした科学にするために、だから前向きなんですよ、ワクチンに対して前向きなんです。これ間違いないでくださいね。何回も言いますけど。

なんか人工知能でワクチンという言葉が入ってたら弾くなんて、あれ嘘だと思いますよ。あのワクチンを推進してる人のものはBANされてませんからね。内容をちゃんと理解してほしいんですね。僕の言ってるのはもう1個難しいことですからね。

医療行為の中に予防医学とかそういうのを入れるんであれば、なぜそれができるのか。それは医者にも権限を当てられておりません。私はそう考えてますね。医事法とかなんとかじっくり読んでみますと、これまでの医学もそうですけどね。

相手が元気で、健康で、かつ相手が承諾してない行為を、医者だからといって無理やりやるって事は、もうこれは一応、今のところの哲学では許されていない。これをもう1回考える必要がある、というのが今日の私の話であります。

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