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チグハグ社会(2)「小学校教育と未来像」 令和5年4月2日_文字起こし

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ヒバリクラブご覧の皆様こんにちは。武田邦彦です。

ええ、今日はこのチグハグ社会のですね2番ですね。まああの、大人がチグハグ社会を作ってるわけですから、まあ大人がそのチグハグ社会の責任を取るっていうのはまあいいですよね。特にチグハグ社会になってんのは、一人一人がもう金だけ自分だけ今だけっていうことと。

あともう一つ最近私思うんですけどね、引きずり降ろす方が得意で、前進するのが不得意っていう人が結構多いですね。これも慎重はいいっちゃいいんですけどね。ちょっと度が過ぎますね。

つまり、人の言ってることの揚げ足を取ったり。それからまあ、必ずしもねこの呼びかける時に1から10まで全部言えるわけじゃないんで、好意を持って受け取ると。それからもし足りずがあれば、お前は知らないんだっていうんじゃなくて、こういうこともあるからこういうのを改善したらさらにいいんじゃないですかっていうような方向に話を持っていく人が、あまり多くないという点もチグハグ社会を生んでるんでしょうね。

だけど、まぁチグハグ社会で被害を受けるのが子供達ってことになりますとね。これはちょっとかわいそうだなっていう気がしますよね。我々が大人が作ったチグハグ社会の被害を子供たちが受けるって事になるんでね。これはもう我々の責任問題で、ちょっと今日は小学校教育と未来像っていうのをちょっとお話をしますが。

もちろんあの誰でも合意しますが、小学校教育はだいたい30年後、まあその小学生がほぼ30歳から40歳の働き盛りになる頃の社会を想定して、それに必要な基礎的な知恵をですね、人格とかそういうものを作るのが小学校教育ですよね。あの小学生が今必要なものを勉強してもですね、10年経ったらいらなくなるなんてやつは意味ないですね。

それの典型的なのが、最近始まった小学校の英語教育ですね。語学っていうのは2つの意味があって、一つはコミュニケーションとしての語学ですね。英語が喋れる、英語が聞けると。そういうものと、それからまあイギリス文化、アメリカ文化を知るための英語。これはまあ国文学とか、英文学とかまあこういったものに属するし。哲学なんかも。それから科学の分野。私の分野なんかでも、日本語に翻訳したものと、原点を読むのは結構印象が違いますからね。そういう意味での英語教育もあるんですけど。それはもうほぼ、英語を読めるかっていうのが基本ですね。

ところが、今始まった小学校教育は、ほとんど会話の方なんですよ。コミュニケーションの方なんですね。これはもう今皆さんもご存知の通りチャットGPTとかね、そういうものももう実用化されつつあって。本当にあの今度のチャットGPTなんかの翻訳を見ますとね、今までのような機械的な翻訳じゃなくて、本当にこう通訳の人が翻訳するような言葉の言い回しの違いなんかもね、やっておりますので。

まあ僕はね、今の小学生が就職する頃には、もちろんあのITの速度もずいぶん速くなってきますし。それからAIと言いますかね、人工知能も非常に進んでるので。まあ間違いなくですね、例えばパソコンを開けてなんか英語のアメリカのニュースを見れば、もちろん文字は全部日本語で出てきます。それから言葉も日本語で出てきますね。だけど、それを英語って設定したら英語になる。逆になると思いますね今とね。それは当然ですよ。あの同日通訳速度がね、まあ今の例えばそうですね4、4、4ですから16、64倍以上になりますからね。ですから、それはもう瞬時に訳してくると思うんですよね。

それにまあ、この小学校の英語教育を今頃から入れたっていうのは、これはもう利権なんですよ。まあ例えばね、小学生の人格を高めるための教育なんて始めても一銭にもならないんですが、英語教育をやればね、英語の教材とか、それから英語の先生とか、機材とか、そういったもので山ほど利権が生じますからね。まあ利権で子供食い物にしてるっていうのが、この小学校の英語教育ですね。

それからもう一つ非常に大きいのは、まあ日露戦争時代っていうか明治時代とかね、そういう日本が発展する時には、国民の平均的な力ってのが非常に重要なんで、国語、算数、理科、社会を教えて平均点を取って、平均点でその子供を評価するっていうのがあるんですが。これはですね、社会が発展してくると、それは必要ないんですね。

例えばあの、国語、算数、理科、社会の基本的なものはですね、むしろ非常にこう、足し算、引き算、掛け算、割り算ができるとか。それからまあ新聞に出てくるような漢字は読める。重要漢字とかね、そういったものは読めるとか、それから世界の国がどういう国かとかですね、自然っていうのはどうできてるのかとか、基本的なことは知る必要がありますが。

今の小学校教育って本当にマニアみたいになったんですね。ええ、ものすごく速度を競わせたり、非常に難解な問題出したりですね。まあ先生方には理屈があってですね、こういうことを思考能力って言いますけどね。ただ、そのあんまり思考能力を強調するよりかは、やはり30年後に必要な、日本社会とは30年後どうなっているのか、それについてどういう知識が要求されるのかと、ITだけ教えてればいいってんじゃないんですよね。

社会自体が変わってきますから、その変わっていく社会ですね、例えば、経済だとか、法律だとか、家庭生活とか、人格とか。ええ例えば、今日本にはほとんど文化がないですよね。絵画もなければ、作曲家もいないし、小説家もいないっていう無味乾燥な日本社会になってるんですが。それをちゃんとした社会にするためにはどういう必要があるかっていうことを、先生方が十分に議論してるか極めて疑問ですね。極めて疑問っていうか、ほとんどやってないですよ。

アメリカを学ぶっていうのは非常に危険なんですが。まあいいところはですね、もう今から30年ぐらい前ですけども、インターネットとかメールがね発達したらすぐね、アメリカの先生方は結構ね、先生方同士で教え方の問題とか、教育の将来の問題をですね、議論されてましたね。あれは偉いと思いました。アメリカ人のいいところですね。悪いとこありますけど、いいところですね。

だから、文部科学省の作るですね、指導要綱なんかに頼っていては、僕は小学校の先生も専門家としての価値がないんじゃないかと思うんですよね。それが非常に重要だということと。

もっと基本的なのは、その教育っていうのは知識じゃないんですね。知識教えることを教育と思ってる方が多いんですけども。教育の一番大切なのは人格ですからね。人格の形成ですね。人格なんか形成してどうするのって言うんですけど。それこそがやっぱり社会を強くして正常化するわけですね。犯罪も減るし、それから科学とか国とか、そういうものに対してプライドを持って一生懸命やるという子どもたちを作るには、やはり子どもたちの人格なんですね。

これについては世界で非常に大きな流れが2つありまして、一つはヨーロッパ流の人間は野獣であって教育によって人間になると、こういう考え方ですね。そうしますと小学校では先生が鞭を持ってるんですね。鞭を持ってやってるっていうのは結局、教育を受けてない小学生は野獣だから、鞭で叩いて、やるんだと。

日本は逆です。全く逆ですね。180度逆で、子供は神の子っていってですね、基本的には7歳ぐらいまでは、教育にあまり大人がタッチしないんですね。ていうのは人格形成という点では、教える方が人格的に高潔じゃなくちゃいけないんですが、やっぱり大人ってのは嘘ついたり、損得を考えたりしますんでね。まあそういう点では、大人が教育するというのは非常に危険が伴うんですね。

ですからまあ、子供同士で遊ばせて、その中で人間としての道を覚えさせようっていうのが、まあ結構成功しましてね。それで日本だけは犯罪率がすごく低かったし。

もちろんあのこういう風に言いますとね、反論としてはいやそれだけじゃないって。もちろんそれだけじゃありません。しかし、こういう大きな議論する時はね、あまり四方末端にとらわれずに、一番大きな原因と思われるものを私が思うものを話すわけで、世間一般にどう言われてるかっていうことを話す必要は本当はないんですよね。

本当は学校の教育なんかではあります。世間一般にはこれはこう考えられているが、私はこう思うっていう風に言う必要ありますが。こういったヒバリクラブみたいなね、ほとんどの場合、成人を対象にした自由な空間っていうのはですね、やはり話す人がこう思うということを中心的にお話をするってことが大切だと思いますね。

でそういうことで、日本はですね、子供を神の子と言いまして、7歳ぐらいまではお姉さんが妹を教育する。まああの当時、ちょっと男と女のね距離が遠かったもんですから、お兄さんが弟を教育する。教育するというか一緒に遊ぶ。ということによってそれが成功しましたね。

日本人が非常に道徳性が高い。まあアジアに来られたね、ヨーロッパの人がもう本当に口をそろえて言ってるのは、中国を旅行するのは嫌だ。いつも騙されるから。日本を旅行すると快適だ。どこでも嘘をつかないし、騙さないから、本当に快適だ。

こういったものがね、私なんか若い頃随分行きましたけど、こういった明治時代の日本人の高潔さっていいますかね、素直さっていますか、道徳の高さというんで非常に外国の人が私をよく尊敬してくれるって言うかね、あのよく扱ってくれました。

それは私その時に、日本人の今までの祖先の、おじいちゃんおばあちゃんのですね、真面目な社会というものが、財産であると、私の財産である、日本の財産である、という風に感じましたね。

そういう点では、日本は有色人種で唯一、植民地にならなかったとか。それから犯罪が極端に少なかったとか。対外戦争の数もですね、ものすごい少ないんですよ、日本はね。ほとんどやってないと言ってもいいぐらいなんですね。

まあこういった、まあ短期的なことを言ったら別ですよ。あのもう戦争って言ったら、もう自分が知ってる範囲っていうだけのことで反論してくる人がいるんですけどね。やはり、我々がこういうヒバリクラブとかそういう活動するのは、目的は日本を良くするってことですから。

間違った認識で引きずり下ろそうとするよりか、むしろ私が言うのは、不足してればね、そこのところ補って、そしてこういうことを補うと、さらにこう良くなりますというようなね、話にしてくれればというふうに思ってます。

いずれにしても、今の小学生は本当にかわいそうで、社会が発展しても平均点取ってる。だって100mでね、オリンピックで優勝しそうな金メダル取りそうな若者がいたと。その人に向かってお前バレーボールできないじゃないかとか、お前水泳が得意じゃないんじゃないかって、だからオリンピックダメだよなんて言ってるのが今の小学校教育なんですよ。

ちょっと、日本社会が全体がそうなっちゃってるんですね。ある人の悪いところを強調してですね、いいところ潰してしまうってところあるんで。小学生はせめてね、まあそういうことがないように、あのしてあげたいなと思っております。

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