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原発熟考(4)原発のホント「メディア編」 令和5年3月24日_文字起こし

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ヒバリクラブご覧の皆さんこんにちは。今ちょっとホテルに着いたところでですね。ええとまあ、原発関係の4番目をですね、ちょっと遅れておりまして。それをちょっとホテルで話をしようというふうに思いました。

ええとですね、この写真を皆さんじっくり見てね。日本の原子力っていうのは一体どういうことになってんだ、ということを直感的につかんで欲しいんですね。特に、まあ原子力発電所を今日本に随分あるし、そのまま置いておくのも問題だしとかね。まあいろいろものすごく多くのまあ宣伝って言いますか、いろんな考え方があるわけですね。

私が何で自分で原子力をやってですね、それで途中でやめて。原子力では非常に私名声もありましたしね、研究成果もありました。それを全部捨てたっていうのは、なぜだったのか。それから福島原発事故があった後ですね、私は原子力の今後の大きな意味での発達はですね、やっぱり誠実であるということだろうと思いましてね。それで、批判的な発言を繰り返してきました。それによって今は、もう原子力界とは全く話もできないってなりましたね。それはね、この写真を見てもらったら分かると思うんですよ、私。

まあ、目はなんとかものをいいって言うようにですね。百聞は一見にしかずか。本当そうですね。この写真はですね、私の記憶では2011年4月24日だったと思うんですけど。いずれにしても、4月の後半ですね。それまで記者会見やってて、それをニコニコ生放送だと思ったんですけども、生で放送してました。これは非常に良い試みでしたね。しかし言葉が違うんで、日本人記者用の記者会見と外人記者用の記者会見を2つやってました。もちろん外人のところは英語ですね、基本的には。それでやっておりました。

最初はもう外人の記者がいっぱい来てたんですね。日本人の記者もいっぱい来てました。それで、だんだんだんだん外人の記者の来る数が減ってですね。実はこの4月24日だったと思うんですけど、この日はですね外人の記者会見で記者が来たのがゼロだったんですよ。0。

それは海外の新聞とかテレビが、福島原子力発電所に対して興味を失ったってんじゃないんです。非常に興味は強くて、私のとこなんかでも、まあ英語を始めとしてですね、次々と取材があったり、さらにテレビカメラが来たりしてた時代なんですね。むしろ、日本のテレビ局も新聞も私のところにあまり取材には来ませんでしたが。外国の人はずいぶん来ました。そういう渦中なんですね。

さらにまあ言えばですね。これが4月の末ですよね。5月の15日。これもまあ多分間違いないと思うんですけども。東京電力が、実は福島原子力発電所メルトダウンしてたという発表いたしまして。大騒ぎになって。それで私もその時にテレビ朝日をはじめとして何局か地上波に呼ばれて、コメントいたしました。そういう時でしたから、まあ事故がだいたい3月の15日ぐらいを中心に起こって、それで5月15日にメルトダウンしてたっていう発表があって。ちょうどこの写真は4月の20日ぐらいですから、ちょうどその中間になるんですね。

ですから、まだまだ原子力はもちろん被爆の問題もあり。3号機の爆発の問題もあり。2号機の爆発の危険性もありって言った時期でですね。この時期に、それまでテレビに出てた東大の先生方が連名で署名をしてですね。今までずいぶん正確なコメントもしたんで、もう東大の方はテレビに出ませんというコメントをした。そういうもう、わあわあした時代だったんですね。まああの非常に情報も錯綜しておりまして。多くの人は本当に強く関心を持ちですね。情報を欲しがっていた時代なんです。

その時に、テレビの記者会見の、あちゃうちゃう、これは保安院東京電力やったんですけど、原子力の保安員と東京電力の記者会見に外人の記者が一人も来なくなった。日本人はこれがっさりいたんですよ。日本人の記者会見はいっぱいいたんです。有名なおしどり夫婦とかなんかいろいろいましたね。そういう方も含めた一般のマスコミの人も含めて、いっぱいいたんですよ。

ところが、外人はゼロになっちゃった。なんでか。もう外国の記者はね、あまりに多い日本社会の嘘にですね、もうついていけなくなっちゃったんですよ。何が本当だかわかんなくなっちゃったんですね。だって、原子力保安委員とか東京電力って当事者じゃないですか。それが記者会見で全部嘘言うもんですから。結局、外国の記者はですね、出なくなっちゃったんです。記者会見に。

ものすごく僕恥ずかしかったんですよ。だって僕は結構多くの著書があって、その中でですね、日本人は誠実だっていう本が多いんですよ、実はね。いろいろ江戸時代の書物を引いたりね。それからまあ、最近ではそれは最初の1960年代の東京オリンピックの行進の様子とか、もちろん大東亜戦争における日本軍の兵士の誠実さとか。そういうものをずっと私言ってきたんですよね。その日本が記者会見に外国の記者が一人も来ないような状態になってしまう。このことはね、もう本当に国の恥ですよ。

それはね、僕はもうそろそろ、この世から引退しますからいいんですけども。子供たち孫たちがかわいそうじゃないですか。私がね若い頃あっちこっちにね、世界の各国にですね、次々と主張とかなんかで出てた時はですね。どこの国に行っても日本人は尊敬してくれました。日本人であるってことで尊敬してくれましたね。

まあいろんな言い方ありました。アメリカのタクシーの運転手は日本人は威張ってない。ちゃんと誠実だ。だから私たちは日本人と他のアジア人とすぐ区別できる。顔では区別できないけど、態度とか行動で区別できる。日本人は偉いと。こう言ってましたよ。

それはね、アメリカで今度は非常にこう人種差別の強いところで、1回学生と一緒に行ったもんですから、学生に人種差別の現場を見せたいから、ちょっとそういうところに交渉して入れないかって言ったら、立派なレストランを紹介してくれました。本当にねこの、もちろんアジア諸国はね、もう本当に日本人はもう特別待遇が多かったですよ。

ヨーロッパも決して馬鹿にしたっていう感じで僕を接してくれた人はいません。トルコなんかに行くとね、エルトゥールル号なんかもありますから。トルコの小学生なんか本当にね、私が日本人だと思うと尊敬して歓迎してくれました。

これは、今まで江戸時代の開国以来ね。日本人ってのは本当に立派だったからなんですよ。それはね、いろいろGHQなんかこの前のね大東亜戦争の間違ったことを宣伝したり、東京裁判があったり、あれも裁判てんじゃなくてリンチですけどね。それから朝日新聞とかNHKがずいぶんね、日本を貶める行動もしましたけど。それでもやはり、外国の人たちは日本を尊敬してましたね。

その意味で、私は日本の公的な記者会見に外国の記者が一人も来なくなった。もちろん関心がなくなってこなくなったんならいいんですよ。そうじゃないんですよ。嘘ばっか言うからダメだっつんでね、来なくなっちゃう。

それはこの外人が来なくなった4月の24日の後、半月ぐらいか経った時の5月の15日のメルトダウンしてたんだって発表を東京電力しますね。それでみんな日本のテレビ局はもう大キャンペーン。福島第一はメルトダウンしてたんだって言って報道して。新聞は各社全部一面ぶち抜きで、福島原子力発電所メルトダウンて書いた記事を一面に出したんですよ。

だけどね、僕それも本当に情けないと思ったのはね。福島原子力発電所メルトダウンしてるっていうのは、もう1週間ぐらい経ったところでわかってたんです。いやそれはもう原子力学会の方々ね、下にこう、メルトダウンすると下にだーと炉心が落ちますから、溶けて落ちた炉心の大きさがどのくらいの球になってるかなんていう議論してたのがね。あれがどんなにあの遅くてもね、3月の20日頃にはですね、やってたんですよ。僕なんかも計算してたんですよ。どのぐらいだったかな、2cmぐらいのボールかな、なんつって計算してたんですよ。新聞記者みんなわかってたんですよ。テレビもわかってたんですよ。

だけども、東京電力が発表するまでは、発表しない。これは報道じゃありませんよね。報道っていうのは、当事者が東京電力とまぁ、犯人とまで言わないけど、事故を起こした当人じゃないですか。その人が言わないものは報道しないって、これなんですか一体。

報道っていうのは、3月の末に日本のテレビ局とか新聞記者が、あの、学者に尋ねれば、ほとんど全員がメルトダウンしてますよって言ったはずなんですよ。ええ、だって計算してたんですから。

その頃だけどね、日本のマスコミ、テレビカメラマン、新聞記者は全部福島から引き上げたんですよ。危険だって。危険だって引き上げたんです。3ヶ月か4ヶ月で引き上げたんですよ。

それで3ヶ月目か4ヶ月目に福島に入って、防護服っていうの着てね、あれ防護になりませんが。防護服着て福島に入ったら、福島の人たちが普通の服で働いてた。そこで危険なんじゃないですかと、その報道の人が福島の人に聞いたらね。福島の人がいや新聞に安全だと書いてありますと。これを僕に言ってくれたのは、ある新聞の大新聞の記者なんですよ。

あんなに自分は記者生活で人生で恥ずかしかったことはない。我々は逃げている。それで福島に対しては安全だと記事を書いた。そして何ヶ月か経って入ってみたら、福島の人は平気で生活してる。我々は放射線防護服を着てビクビクして入った。

つまり福島から記者が逃げたのも、それからメルトダウンというのがもう3月の末に分かってたのに5月の15日まで、東京電力が発表しないからつって知らん顔して。そして5月15日の朝刊をぶち抜きでやるということはどういうことかって言ったら、もう報道ではないんですよ。

それはね、4月24日のこの記者会見に出てですよ、ある外国の記者が、福島第一原発は、なんか学者の説によるとメルトダウンしてるって言いますけどもいかがでしょうか。いや多分、答えないか違いますって答える。じゃあ何のための記者会見なんですか。嘘を教えてもらって、嘘を国民に伝えるための記者会見なんですか。

いやねアメリカの報道がひどいとかね、いろいろ言いますよ。だけど日本の報道っていうのは、アメリカの報道に輪をかけて間違ったことを報道してる。

で人間の頭っていうのはね、最初に入ったものを正しいと思うし。ましてNHKとか報道したら、国民はみんな正しいと思う。それを利用して悪徳をしてるんですよ。

ここまで来たらね、やっぱり、この私がもうこれは原子力ダメだと思ったのはこの記者会見なんですよ。これどうしてもダメだ。だってもう人間社会として通じないんですから。人間社会の常識が通じないんですから。そんな技術がね、僕は成功するはずはないと思います。ええ。

技術というのはそれほど甘いものじゃないんでしょ。まあということで、私は今度の原発熟考4にね、メディア編と称してこの記者会見の写真を1枚出して。これを1枚だけ見れば、今後日本が原発をやるべきかどうかっていうのは、日本の社会の嘘体質をまずなくさないとだめだ、ということがお分かりになると思いましてこれを出しました。

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