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原発熟考(1)原発のホント「原因編」 令和5年3月21日_文字起こし

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ヒバリクラブご覧の皆さんこんにちは。武田邦彦です。

ええと3月11日、まあ東北大震災ですね。今でも2000人ぐらいの方がご遺体さえ見つかってないという、非常にひどい災害でした。この地震の方はですね、もう少し経ったら詳しく地震のこと、今後我々はどういうふうに防いでいったらいいか。私は技術者であったのでね、ええとまあ人を非難することはまずやらないですね。やってもしょうがないんですよ技術者は。

それから過去の解析は大切なんですね。今日もそうですけど。しかしそれが未来につながらなきゃダメだ。だから今度の疫病のこともですね、私は疫病は疫病でまあしょうがないと。ただこれから来る疫病については、今度の疫病のことを参考にしたい。少しでも自分とか家族が被害に合わないようにしたいっていう気持ちが強いんですね。

ですから少し、コメント言う人とちょっとずれているのかもしれないですね。常に僕は前向きなんですよ。で今日の原発のこともね、地震のこともそうなんですけども。過去を振り返ってどうのこうのっていうか、むしろ過去はもちろん振り返るんですよ、過去を振り帰らないと、将来に向かってどういう方策を取ったらいいか決まらないんでね。その意味で過去を振り返ってるんです。

今日もまず原因編ですね。これは原理編、普通だったらまあ原発はどうして電気ができるんだとかね、そういうあの原理編から入るんですが。原理編から入るとちょっと理解が難しいもんですから。やはりこの前の福島第一原発の事故っていうの本当にこう典型的な原発の事故なんですね。

まあ起こるべくして起こったということなんで。政府とか電力会社とかですね、それから原子力関係の専門家が違うこと言ってます。私はずっと原子力やってきてね、それが悲しいですよ。僕それはほんと悲しい。なんで悲しいかっていうと、やはりね技術に携わる人は、事故の原因はどんなに自分がそれで人生を失っても、やはり本当のことを言って人生を送ってほしいですね。

ええまあそういうことは別にして、この地図をようく見ながら、私が非常に簡単に福島原発の事故の原因はですね。原因がわかれば今後の対策もできますんでね。原因は津波ではありません。まずそれはもうはっきりとしておきますね。それしとかないとですね。

それで皆さんも津波だと思ってます。それは人間の頭ってのは最初に聞いたことを本当だと思うんですよ。ご自分で判断して津波だと思ったわけじゃなくてね。テレビが津波と言ってるとか。国が津波と言ってるとか。そういうことを最初に聞いたとか。最初にあの国の原因を聞くまでに武田邦彦の原因の話を聞けば、そっちがもしかしたら正しいってなるかもしれませんね。

それから権威を大切にする人っていうのは国が言ってるから正しいっていう、そういう考えの人もいるんで、それも難しいですね。NHKが言ってことが正しいって極端な人もいますけどね。

ええと津波が海側から来ました。で海側から来てますからね、この写真で下に海側と書いてあります。この海側から来てですね、津波でもしも原発がやられたんなら、まず原発はですね、後ろに1、3、4とナンバー振ってんのが1号機、3号機、4号機なんですね。1号機はまあ、上部で水素爆発しただけなんで下の方は残ってますね、建物。2号機はほとんどすっかり残っております。爆発しませんでした。3号機は一番ひどい爆発をしましたんで、根こそぎ壊れてますね。4号機はですね、上部の燃料貯槽が爆発しましたんで、やや上部の破壊になってますが、ここからはこの写真ではよくわかりませんけどね。

この3つが爆発性損傷しましたが。それよりか前に建物とかいっぱいありますよね。タンクも見えますね。4つです白いタンクが円形のですね。白いタンクがありまして、その向こうにいわゆるタービン建屋というものがあります。この中にはタービンが入っておりまして、炉でできた蒸気を、この前のタービン建屋のタービンで回して電気を起こすというそういう仕組みですね。

それでこの建物はそれほど強くないんです。一番強い建物は壊れちゃったあの原発建屋なんですね。それはまあ当たり前ですけど。炉が入ってますから、原子炉がですね。タービンは普通の火力発電所と一緒ですから、通常設備ですね。何も損傷してませんね。しかも海側に向かって非常に長く、長い建物ですから、ドカーンと津波が来ましたので、津波の力、まあ運動量といってもいいんですけど、津波の力がひどかったらこれが壊れていなきゃいけないんですよ。

ところが、実際には津波の力は強くありませんでした。そこでですね、もっと海側にいろんな建物が、小さい建物がいっぱいあるんですけど、ほとんど損傷しておりませんし、流されてもいませんね。

ええそれからもう一つは、あの津波があるんだから堤防を高くしたらいいじゃないかっていう説があるんですが。堤防はこの原子炉建屋の真正面は堤防があったんですよ。これちょっと堤防が映ってません。ちょっと海側の、もうちょっと海側に出てますので映ってませんが。タービン建屋の真下ですね、この海側と書いてある字のさらに下に堤防がある。これはちょっと低かったんで、5.7mだったかな、それでそれを乗り越えてきたんですが、堤防を高くすれば防げるなんてもんじゃないんですよ。

どうしてかっていうとですね、この写真の左側ですね、左側に、左側は全然堤防ないんですよ。ですからそこからはもう津波の高さそのものが流れてきますね。ですから堤防を高くしたら津波が防げた、堤防を高くしなかったことがミスだ、なんていう話も、これは報告書もあるし、それから裁判なんかでもあるんですけど、こんなんデタラメですよ。

だって堤防のないところが、両翼は堤防がないんですから。それで水っていうのはですね、10mの高さで来たらみんな10メートルで来るんですよ。堤防のとこだけ狙って10mが来るのじゃなくて、全面10mですから。だから両翼から入ってくるんです。こうね。

でもしも、津波の力で建屋が倒れたとか、原子炉が倒れたなら、真正面からの力の方が強いんですけど、浸水しただけなんですね。これ実は、どの建物も壊れてませんよね。あの原子炉の建物は、これ爆発で壊れたわけで。まあまあ主要な建物といったら全部、原子炉が直接関係ないところの普通の建物も生き残っております。これは原発の後ですね。

上の方に森みたいのが見えますが、ここの敷地はもともともう少し高いところにあったんですが、それだと水を運んだりなんか大変なので削ったんですね。削って海水面に落としたんですね。それもコスト重視で、安全軽視ということだったんですけども。まあそのために浸水を起こしたということですね。

それで原因は簡単に言えば、原子炉建屋の1階のドアが開いてたんで、そのドアからというか、防水じゃなかったからって言ってもいいんですけども。そこから水がジャジャジャっと地下室に流れたんですよ。それでもちろんあの津波が1mでも2mでも浸水したら地下室は埋まっちゃいますからね。地下室に水が入らないようになってなかったんですよ、実は。驚くべきことに。

それで、地下室のところに何が置いてあったかというと、あの電源、第1電源、第2電源、第3電源、第4電源って全部の電源が地下室にあったんですよ。海岸淵に原子炉があるにもかかわらず、地下室にあったんですね。だからもちろん地下室が浸水しましたから、津波の高さが2メートルでも3メートルでも浸水しますよ。だって周りから水が流れてきますから。ねえ、それはあの皆さん東北大震災の津波の様子を思い出してもらえば分かりますよね。

浸水しました。単なる浸水なんです。地下にあの電源を4つも置いてて。これ違反なんですよ。何が違反だったかというのは、後でお話しますが。もちろん電源を地下に置くってこと自体がね、おかしいわけでしょ、それは。だって海岸淵から浸水するわけだから。もちろんあの地下に置いてもいいですよ。だけど防水しとかなきゃいけないんですよ。

その代わりどういう方法をとったかって言ったら、4つ電源を作って多重防御。第1電源がダメになったら第2、だから第2は2km離すとか、第3はトラックの上に乗せるとか、第4はバッテリーとか。こういう風に全然違うような形のものを4つ用意してですね。電源が一番大切ですから。電源喪失で爆発しましたからね。電源が大事だってことはちゃんと最初からわかってたわけですね。

ですからね、なんていうのかな。だけどそれを言うと今の原発も全部そうなってるんで。今から動かそうっていう原発も全部そうなってるし。全部改造するったらもう大変なお金がかかっちゃって、それでもう原発はやめようという話になるので、それで原因をごまかしたんですね。

しかしね、僕はね、技術というのはごまかしたらね、成功しません。私は原子力を今やってる方にぜひ、技術者の方にお話したいんですが、やっぱりね、技術をやる人の本当の魂は嘘をつかないということなんですよ。それはね、自分が間違ったら別ですよ。だけども、第1電源はまあ地下に置くと。そしたら地下は防水になってなきゃいけない。ちょっとね、海水面が高くなったり、水が流れてきたからって言って、それで電源を喪失してしまうようじゃどうにもなりませんからね。

それから第2電源は原子炉から離しておくんだ。何で第二にするかって言ったら、第1電源が何かの都合で潰れた時に第二電源が動く。こういう時にですね人間はあんまり頭を働かせちゃいけないってことになってるんですよ。つまり予想外のことがね、この時も想定外、想定外って言ってましたけど、想定外のことが起こって事故になるわけですから。ですから第1電源を建屋の下に置いてあって、第1電源が普通の時はそれは電線も短くて済みますからね。それでいいんですけども。防水はすると、このぐらいはすると。

それから、第2電源はまあ2キロ離すとか、山の上に置くとかなんかしなきゃいけない。ただ電線はそこから引けばいいだけのことですから。しなかった。嘘ついてたんですよ。これは東電がね、嘘ついてたんです。

第3電源は今度は可搬式なんですよ。つまり動かせる。ディーゼル発電機なんです。なぜかったら東北電力、これ東北電力の配線が来てんですけど、東北電力自体が全部ダメになっちゃうことあるでしょ、変電所が全部ダメになっちゃう、そういう時のために自前でディーゼルを焚いて発電機をする。それも動かなきゃいけないから、だからトラックの上に乗せてるっていうね。

実際上それで助かったのは大飯原発ですね。あそこはあのちゃんとディーゼル発電機、第3電源をトラックの上に乗せてましたので。何か津波が来ても何でも逃げといて、また帰ってきてつければいいんですからね。助かった。

それから第4電源のバッテリーはこれはね、一応公式にはね、ヨーロッパから買ってきたんだけど、コンセントを合わせなかったから事故当時入らなかったって言ってんですけど、そんなバカなことあるのかなって今でも疑ってますけどね、僕はね。そう言われております。

第1から第4まで全部動かずに、冷却水が来ませんから爆発した。そういうことですね、簡単ですよ。津波でも何でもいいけど、防潮堤の問題とかそうじゃなくて浸水なんです。浸水。地下に発電機があった。それも違反して、4つ全部同じ全部発電機を地下に置いといたから、だから全部塩水に浸っちゃって、こうやって電源が使えなかったっていうことなんです。

電源が喪失して、冷却水が来ないから、どんどん温度が上がって、じゃんじゃん温度が上がりますから、それでもう原子炉の中いろんなものが溶けて、水素も出て、それで爆発しちゃったと。ぐちゃぐちゃになっちゃった。まあそういうことですね。まずはそこははっきりとしなきゃいけません。

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