武田邦彦 ヒバリクラブ 文字起こし

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それは当たり前「花粉症(2)」 令和5年3月11日_文字起こし

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ヒバリクラブご覧の皆様おはようございます。

今日は花粉症の2番ですね。ええもう本当に花粉症で苦しんでる人、おとといぐらい電車で会いましてね、地下鉄で。かわいそうだなと思って。

解決するのは簡単なんだけどな、まあ簡単というか、原因ははっきりしてますからね。原因はまあスギとかヒノキのようにですね、人工的に人間が人工的に植えたものっていうのは、人間が処理しなきゃいけないんですね。

というのは、植物ていうのは動き回ることできませんからね、樹木は。植えられたところに生えるしかないし。年取っても、なかなか死ぬってことが難しいんですね。動物のようにご飯食べなければ死ぬなんてんじゃなくて、太陽の光があればですね、細々ながらも生きていけるもんですから。

だからやはり、樹木っていうのはですね、人間が植えた場合はですね、植えない場合はいいんですけど、植えた場合は人間が責任とってその世話をしてあげないと、樹木に対してもかわいそうなんですね。

自然を守るとか、自然と一緒に生きるとか自然と共生するっていうのは、そういうこと言っておりましてね。まああの、山谷の奥の方で天然林、これはものすごく荒れた林になりますけどね。それでも、樹木が自分の種で自分の子供ができてそれで勝手に生えてると。そこで生存競争が行われて、ある秩序は成立するんですけども。

人工林の場合はですね、人間の手で植えますから本数も人間が決めてますし、植えるところも人間が決めてるんですね。でこれはまあ、スギですとだいたい40年ぐらいで伐採してですね、その前にも間引きは必ずしなきゃいけませんから、間引きをしながら木の数を減らしていって、材木になるぐらい太い木にしてですね。でその木を切って、またそこを整地して、新しい苗木を植えるという。そういうサイクルをすることによって、人間と自然との共存が図られるわけですね。人工林についてはですよ。

これはどんなもんでもそうで。人間だけが生物を殺してるわけじゃなくてですね。まあ、草食動物は草を食べるし、それから肉食動物は肉を食べるしということでですね。まあ、自然との共生とか、自然というのはどういうのかっていうと、お互いにまあ利用しながら、且つ、命を取りながら生きていってるっていうのが自然なんですね。

ですからまあ、スギとかヒノキの場合は30年40年のところで、やっぱり職林した人間が責任を持って、杉を切ってあげなきゃいけないんですね。これがまあ自然の摂理というものなんですね。

そうしますと、スギはですね、安心して子孫を残すことができるんですね。自分はお役に立つし、子孫も残ってということで。また人間がスギの苗木を作ってですね、それでこう植え替えると。

まあこれは、米稲なんかも同じですね。稲も稲の米粒はいただくんですが、まあ翌年の春になりますと、苗床を作って、稲の苗を植えて、それで今度また稲を育てる。これも共存、共生ですね。

よくあの、自然が大切だと言ったり、自然保護団体の方なんかは自然との共生とか言いますけども、その共生っていうのは具体的に言えば、杉を切ることなんですね。その切ったらかわいそうだとか、まあかわいそうなら人間が死ぬしかないんですね。

まあ人間はご飯を食べるし、魚を食べるしですね。大豆も食べるわけです。肉も食べるしですね。ですからまあ、本当に本格の生物を殺したり食べたりしていけないと思うんだったら、もうそれはもう自分が死ぬしかないんで、それをごまかして生活するとあんまりいいことじゃないんですね。

で今のこの花粉症っていうのはね、あの昔からあったわけじゃないんですよ。例えば、江戸時代とかそういうのは。まあ特殊なね体質の人はおられますから、例外を出せばいくらでもあるんですが。明治になって、だいたい日本の人口は4000万人。それで、スギとかヒノキも大切なものだったんですね。

外国の樹木を買うという時代ではないので、日本人は日本の樹木から家を作り、家具を作り、紙もですね紙をすいて作ると。そういう文化だったもんですから、まあ自然と一体となってやってきましたね。で人口はだいたい4000万人ぐらいですので。いよいよやっていけたということですね。まあ37万平方km。その頃は森林面積だいたい3分の2っていうことで。日本人も自然を利用しながら生きてきたわけです。

ところが、戦争で忙しくなったり、家電製品が発達しましたりして、人口が1億2000万ぐらいになりました。でまぁ昔はね、東京都でも武蔵野の森というように東京都の中でも、林とか森がいっぱいあったんですけど。それはみんな切られてしまってですね、今では宅地化になってますので。まあ現在、日本の森林面積って、まあいろいろ計算が難しいんですけど、まあ60%ぐらい。

ということで、まあその中でやはり本当はですね。スギとかヒノキを植林しましてね。それを伐採してですね、30年か40年で。そうしますとどういうことが起こるかっていうと、スギも安心して伐採されますので、花粉なんかを作ってですね、それをばらまかなくてもいいわけですね。

ところが、戦争が終わって、日本人はすっかりなんか、ヨーロッパ文化に属されたのかなんか、ヨーロッパもそうではないんですけどね、なんかこうもうスギとかヒノキはいらないとかですね。外国から買えばいいじゃないかとかですね。めんどくさいとかですね。そういうふうになって、ほったらかしてました。

そうしますと、1550年ぐらい、まあ50年っていうか、もうその前に植えた気もありますからね、戦後30年40年経った時に、もうスギはたまらずに花粉を出しますからね。とにかく俺たちも死ぬから、早く子供作んなきゃつって花粉を出しますからね。

それで、これは花粉の濃度が、すごく空気中に花粉が増えて、それでまあ敏感な人が花粉症になるということで、かわいそうなことが起こったわけですね。

ですからもう、解決策は簡単なんですよ。簡単っていうか、当たり前っていうかですね。それは当たり前と書いたんですけど、それは当たり前のことで、スギを自分たちの手で植えたんですからね。ですから、それは刈り取らなきゃいけない。

それでしかも、ここにも写真ちょっと出したんですけど、この頃間引きをしませんのでね、細いスギになってあんまり利用価値もないんですよ。だから刈ってもね、お金にならないとのところもあっても、最近ではお金だけですからね。自然との共存なんて言ってる人が、お金つってるわけですから。全く困っちゃうんですけどね。

だけどこの際ね、我々はやっぱり、祖先がスギが必要だと思って植えたんだから、やっぱりね、ボランティアでも役所でも、何でもいいですけどね。税金でもいいけど、やっぱり少しずつでもね、毎年少しずつでも、花粉が多く出るスギの林からですね、やっぱ切って行った方がいいんですね。

これにはもっと難しい問題があるんですよ。実は、この後に説明しようと思いますけども。農林行政っていうのが、戦後少しね、曲がっちゃったんです。この曲がっちゃった理由を林野庁の責任だけにできないところもありましてね。まあとにかくいずれにしても、日本人全体の何ていうかやり方がですね、植えぱなしになったんですね。

それからまあ、紙のリサイクル運動なんかで、一時非常に変なことになりましたね。山の木は切っちゃいけないと、一本も切っちゃいけないというよな話になってですね。そういったその曲がった環境意識っていうのがですね、余計に現在の花粉症をもたらしてるわけです。

ですから、花粉症っていうのは何で最近なのか。それから、花粉症で苦しむ人は異常な人なのか。そんなことないんですよ。全然普通の人なんですけど。ある限度を超えると、やっぱり人間の気管支を痛めるわけですね。

でそれがまた変な方向に行きまして、税金を出して花粉の少ない杉を作ると。しかしスギはですね、植えなければもうほとんどできませんから。そんなことをする必要ないんですけども。まあそういう意味で金を儲けようとする研究者も出てきたりですね。いろんなことに、まあこの現在の日本というのは、なんか本質をこう考えないっていうか、どうなんですかね。

あのまあ当たり前のように思うんですね。要するに、スギを植えれば当然子孫が欲しくなるから花粉を出す。全然スギの植え替えをやらなければだめだと。もしも、今後ですね、日本の森林はもう木材としては使わないと言うんであればね、もうすっかりそういう風に覚悟を決めて、外国から買うと。

従って、スギ林を全部なくしてしまってですね。そしてそこに天然林を作るか、まあだんだん畑作るとか、それから花畑にするとか。だけどいずれにしても、その自然の中で人間が生きていきますからね。ですから人間がある程度労力をかけて手をかけないと、やはり快適な環境というのは得られないんですね。

僕はあの、僕はちょっと情に弱いもんですからね。あのスギの花粉でもう苦しんでる人を見ると、もう早くスギ切ってあげなきゃと思うんですよね。それよりか僕、スギもかわいそうだと思って。あのスギの花粉がうわーっと風が吹いて出るときありますよ、そういう風景を見るとね、あースギも苦しんでるから刈ってあげなきゃなと思うことがあるんですね。

だけど、もしかするとスギの花粉がこのまま放置されてるっていうのは、花粉症がこのまま放置されてるのは、花粉症の人を見ても花粉症の人って大多数じゃないんですよね。やはり少数派なんです。今でも、それはそんなに多くないんですよ。従って、まあいいや、苦しんでる人は苦しんでいいじゃないかっていう風に心が冷たいんですかね。

ですからまあ、僕は全体的に見れば現在のスギの花粉症の症状が残ってるっていうのは、まず多くの人がスギの花粉症で苦しんでる人をかわいそうだと思わない。まずこれが一つですね。それから、自然の森林っていうのをどういうふうに人間がやらなきゃいけないってことをあまり考えたことがない。それから自然と共存する意志がない、というところですかね。そうかもしれません。

我々は非常に忙しくて、毎日毎日一生懸命働いたり、仕事したり、子供の世話したりしてますからね。まあちょっとこれ以上、山にボランティアで行ってね、スギを伐採したりなんかするのは、ちょっと勘弁してくれと。まぁそのままほっとけば、そのうち朽ちちゃうんじゃないのっていうふうに思ってるんじゃないかと思うんですね。

まあ、金だけ今だけ自分だけっていう言葉がありますが。まさにそれが花粉症を呼んでるというふうに思いますね。花粉症の人たちがかわいそうと思ったら、我々はやっぱりね、1年に少しずつでもいいから、我々の祖先が植えたスギをですね、伐採していかなければならないと、こういうふうに思います。

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