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それは当たり前「花粉症(3)」 令和5年3月12日_文字起こし

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ヒバリクラブご覧の皆様こんにちは。武田邦彦です。

花粉症の3番ですね。まあおかしいわけですよ。スギは材木にして利用して、家なんか建てるために植えたわけですね。人間が植林したわけですよ。ところが、それを間引きしたり、枝打ちをしたりですね、その伐採したりするのが嫌になって、それでお金にならないってことですね。外国から買えばいいやと、もう日本人をそんなことしたくないって言うんで、それを森を大切にというインチキ言葉で騙したんですね。

紙のリサイクルをしようとか、割り箸を使わないにしようとか、それから木を伐採しないようにしようなんて言って、日本の人工林がみんなダメになって。それでスギがもうたまらず悲鳴を上げて、現在みんなが花粉症で困っていると、こういうことになったわけですね。

ここにちょっと、樹木というのは最初どういう感じで植えなきゃいけないのかっていうのを、ちょっと極端な例ですけども示しましたけど。この植物というのはですね、やっぱり競争心が湧かないとなかなか伸びていかないんですね。太くなっていかないもんですから、だからまあ、かすかに葉っぱ同士が時々触るよってぐらいにしておくと、まず植物同士で樹木同士で競争心が湧くと、それで少し頑張ろうと大きくなろうと思うわけですね。

あの木というのはまっすぐ普通伸びますでしょ、まっすぐじゃない木もあるんですけど、まっすぐ伸びますのは、あれ上の方に行かないと太陽の光が当たらないんですね。お隣さんよりか自分がこう低くなると、太陽かこうこの葉っぱで当たらなくなるもんですから。太陽が当たらなくなるのは我々がレストランに行けないようなもんで、ご飯食べられないなもんですからね。

植物にとっては、CO2温暖化ガスと水とそれから太陽の光と、この3つで生きてるわけですから。CO2の方はね、温暖化ガスの方は空気の中に混ざってきますから、これは黙ってていいんですけども。水は水のあるところに根を張っていって、そこから根から水を吸い上げる。あとは太陽の光ですから、ですからどうしても競争心がある程度あって、上へ行こう上へ行こうって力が湧かなきゃダメなんですね。

したがって、少しは密に植えて、間引いていく、少しまた大きくなったらまた間引いていくっていうのを繰り返さなきゃいけないんですね。それで上の方にこう木が、自分がとにかく太陽の光が得なきゃって伸びていく、その力をまあ利用するわけですね。

あとはある程度今度背が高くなったら、横に太らないともっと高くいかないし、人間にとっては材木にするにはね、ある程度太い木が要ります。こんな細い木ばかりじゃ、壁にもなりませんから。こう太くなきゃいけませんね。ですから、そういう点でより間引いていったり、それから枝打ちですね。あれ節になるんですね。最近の人って節っていうのも知らないかもしれませんが。木っていうのは枝がこう出ると、そのところだけが構造が違うもんですから、節になるんでそれを早く落としておかないとですね、滑らかな木にならない。そういうこともあって、常に手入れがいるんですね。

とまぁ手入れするのもめんどくさいと、もう外国から買えばいいやと日本人は金持ちになったからって言うんで。ここにちょっとグラフ出しましたけど、昭和30年には日本はほぼ100%の木材自給率だったんですけども、まあ平成14年あたりはもうそれが18%ぐらいに、20%下がってしまう。今は33%ぐらいに、また3分の1くらいに回復しましたけど。いずれにしても非常に自給率が低いんですね。

これはまあ、戦後の日本人のわがままさっていう、わがままさっていうとちょっと道徳的になるんですけども。まあ東京でサラリーマンやってた方がいいやと、簡単に言えばですよ。森の中に入って枝打ちしたりなんかするよりね、東京でサラリーマンで、まあ夜はちょっと神田の飲み屋でいっぱい飲んだらいいやって、そういう風に心がなっちゃったんですね。

まあちょっと咎めるところがあるんで、森を大切にしようとかね。まあそういう運動もあったんですけど、それが具体的に行動したわけじゃないですね。

だからもうやっぱり、ソ連とか中国とかカナダから木材買えばいいじゃないかと。ちょっと心が咎めましてね、1990年頃心が咎めるようになってきまして、それで自分で森に入って木を切ったり、枝打ちしたりしたりは嫌だから、まあ森を大切にしよう運動で、時々みんなで集まってお茶菓子でも食べながらとか、やり始めたんですよね。

それで紙のリサイクル運動とか、そういうのが割り箸、マイ箸運動ですね。僕あんまり、ねみんな別に悪気があってやったわけじゃないんですが、だけど、なんでそうしたんですかね。

この前ちょっと、身近な女性に聞いてみたんですよ。なんでマイ箸運動とか紙のリサイクルとかやったんですかねと。だってこんな状態、こんな状態でね、日本に生えている杉も桧もほとんど使わずに、もう朽ちていく状態。しかも、人間が植えたから、まあ人間が伐採しないとどうにもなんないですよね。それをほったらかしたっていうことがありましてね。

林野庁の行政も、まあちょっと主体的じゃなかったと言えないことはないですけど。まあやっぱりお役所を非難するよりか、日本国土は日本国民のもんですからね。やっぱり我々がやらなきゃいけなかったでしょうね。

まあそれはしょうがなかったかもしれません。豊かになって、冷蔵庫になって、洗濯機できて、自動車になって、クーラーになってね。で水洗トイレばかりかウォッシュレットなんかついちゃって、非常に綺麗な人工的な空間に我々住んでますからね、多くは。今更山の中に入って、土にまみれたり、崖で踏ん張って枝打ちしたりするのはちょっと嫌だというのは、確かにその通りですよね。

まあ、それは当たり前ってこういうタイトルがついてんですけども、花粉症になるのは当たり前なんです。木が山がダメになるのも当たり前なんですね。どうして当たり前かというと我々の心がそうなっちゃったんですね。まあ楽に、楽に暮らしたいっていうのは別に人間だから悪くないでしょ。まあだからおじいちゃんおばあちゃんが植えてくれた、杉とかヒノキはもう利用したくないというのは正直なんですね。だから花粉症になるんですよ。

だからまずとりあえずはね、我々は自然と一緒に過ごすためには、やっぱり手間暇かけなきゃいけないということはもう覚悟してですよ。どうしてもそれがダメならお金を出して、作業員を決めて、それでまずは花粉を出してる杉を切ることですよね。とにかく切るということですね。そうすると、またなんか間違った人が出てきてですね、武田先生木を切ると木はCO2を吸収するから、ますますCO2が出るようになるじゃないかなんてまた嘘を言うんでね。これまた困ったもんなんですね。

成長していく時の木は、あの体が大きくなるためにCO2を吸収して、それを炭素にして炭素で自分の体を作っていく。これが木が成長する時ですね。ですけども、もう花粉を出すようなキ木というのは全然成長しませんから、吸収するCO2と排出するCO2はほとんど同じです。もう全く同じと言ってもいいですね。

ていうのは木もあれ生きてますから、我々と全く一緒ですね。あの、牛がCO2を出すとかなんか言ってますけど、みんな一緒ですね。まあ植物は自分でCO2を吸収しますけれども、成長しなければ植物は生きてますから、生きていくにはどうしても炭素を燃やしてCO2を出しますからね。だから全く同じだけど、酸素を自分の体の炭素を燃やしてCO2出しますんで、まあ別に木を切ったって、切らなくたってCO2の量は同じです。

またそどうせ木を切ったらね、山だったら新しい木が生えてきますから、まあこれも、まあほぼ同じなんですね。我々が出しているCO2、CO2は本当は温暖化に関係ありませんが、関係あるという人もいっぱいいるんでね。まあ関係あるとしても、森林を伐採してCO2が増えるって事はありません。

ただ今の日本ですとね、このくらい当たり前のことでも、みんなが納得しないかもしれないんですね。これが現在の日本の恐ろしさですね。全く合理的なことが通じない。もう非科学になっちゃった。

科学のことなんか俺知らねえよと、知らないでなんで悪いのということになってね。芸人知らねえじゃないか、テレビいっぱい出てる芸人みんな知らないじゃないかなんてことになってね。変な方向に議論がいっちゃうんですよね。

森林が二酸化炭素を吸収するなんて言ってる学者もいるんですよね。困ったことに。それはあのもちろん、質量保存則というのがありますからね、木が体が大きくなっていくときはCO2を吸収します。それから木がもう成長して、花紛を出すような状態ですね、大人ですね、大人になったら人間でももう自分の身長が165cmとか170cmって決まってそれ以上伸びなくなって、やたらと食べ物を食べて太ったりなんかしてない限りは、プラスマイナスゼロですから、これ当たり前ですよね。

死んだらまた腐ってCO2になる場合もあるし。地下に潜って石炭になってしまう場合の木材もありますけどね。いずれにしても、花粉症をなくすのはもう非常に簡単で、みんなで木を切ればいいわけです。花粉が出てるような、もう成長が終わった木を切ればいいわけです。

もちろん切った木は、本当は利用した方がいいですよ。割り箸とかね。そういうものに利用したがいい。薪とかね。こういうのを利用するのが一番いいですが。まあ利用もしできなかったら、そこにほったらかしとくでもいいです。そしたらもう花粉症はなくなります。少なくとも花粉症はそうしたらいいですね。

だけどまぁ山で木を切ってそこに掘り出しておくのはいけないから、一応束ぐらいにしてね。整然とこういう束を、こう山に置いとけば、それはまた景観も損なうことはないし、またそのうち何かみんなが考えついて、山をあえて寝しておくのもなんだから、少しやっぱり新しい木でも植えようかとか。せめて栗とかクヌギとかそういうのがあった方がいいんじゃないのと。緑も見えるしということで、そういうのをやれば、切り倒した木はね、そのうち土と混ざって有機質の良い土になりますからね。山としても役立つだろうと思います。

いずれにしても、花粉症をなくすのは当たり前のことじゃないかと。花粉を出してる杉を切ればいいということになるんですね。それから、そういうことをきっかけにですね、私は農業の自給率の向上もね、今ずいぶん関心が高まってきましたから、それと同時にですね、このグラフを見ていただいて、木材自給率、やっぱりそれもね、これだけ森林国ですから、日本はですね。60%以上が森林なんですから、やっぱりその森林を利用すると。できるだけ効率的に利用するというね、考え方をまず持つ必要があると思いますね。

それから森林も動物も植物も人間と共に生きていく、そういうような日本国土にする方がいいんじゃないでしょうか、私はそう思いますね。

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