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これから日本はどうなるの(4)「ガムシャラな努力の目標は?」 令和5年3月4日_文字起こし

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ヒバリクラブご覧の皆さんこんにちは。武田邦彦です。

今日はですね、これからは日本どうなるの4回目ですね。いよいよ1990年のバブルの崩壊以来、日本が行先を間違ったわけですが。その確信の方に触れていきたいと思いますが。

日本文化というのは非常に特殊なんですね。これは誠意をもとにするとか、恩をよく感じるとかですね。言語も非常に特殊で、日本語っていうのは非常に特殊ですね。

それから旧石器時代、5万3000年ぐらいから始まったと思われる日本の石器時代も、極めて特異であり、高度でありました。DNAの最近研究が行われておりますが、それでも日本人の特殊性っていうのが非常にはっきりとしておりまして。それは石器時代がだいたい5万5000年ぐらいから1万5000年ぐらいですから、4万年間ですかね。それから縄文時代から始まって先史時代がだいたい15000年。

それから現在の近代的国家になった日本が2000年ってことなんですが。非常に特異な文化を築いてきた。私に言わせれば、非常に優れた世界に稀に見る立派な文化だったわけですが。そのまま文明って言ってもいいんですけど。この中でちょっと欠陥もあるんですね。それはですね、欠陥というか良いところというか、長所と短所を糾える縄の如しですから、何とも言えないんですけども。

例えば、今日お話しするのは、がむしゃらに努力するんですよ。とにかく努力してくれる。しかし、目標はって言うとはっきりしないですね。つまり、目標なしに頑張れる性質。これがまあ、日本人の一つの、まあいい性質であるんですね。悪い性質でもありますが、良い性質でもあるわけです。

私が一度、非常に原子力関係の研究をしている時にですね。研究所自体は非常に大きな研究所で、研究員は100名を超えるというですね、規模でした。それでまあ、大掛かりに研究をやってたわけですが。私はね、途中までは確信を持って、石油がなくなるっていうNHKの報道を信じてたもんですから、それに騙されてですね、懸命にやってたんですよ。

とにかく日本は石油がなかったらもう大変だと。だけども、原子力でなんとかいけるかというふうに思いましてね。一生懸命、まあ一命を注いでたわけですが。35歳ぐらいになって、石油がなくなるって事が嘘だった。NHKがそれを知っていた。原子力はやや危ない。欠点がいっぱいあるということをだんだん知りましてね。本当の専門家になってきたんですね。

いわゆる通常の評論だとか意見とは全然違うレベルに、まあ到達したんです。それはそうですよね、10年近くも大きな舞台で研究してましたからね。その中で考えに考えて、それで自分は疑問を持ち出したんですよ。本当に原子力をやるべきなのか。それは会社にとってやるべきなのか。その当時、会社でしたからね。国のお金もずいぶん貰っておりましたから、国としてもやるべきなのかっていうのは、もう本当に悩みましたね。

色んな方にお会いし話をし、自分でも調べ、その当時はアメリカ、ヨーロッパにしょっちゅう行ってましたんでね。まあそういう方々とも話をしてということで、まあ疑問は少しずつ少しずつ膨れてきましたね。

しかしまあ、人間っていうのは10年もものすごく一生懸命やったり、さらにいろんなしがらみがつきますよね。電力会社の人も協力してくれましたし。まあいい友人も原子力関係でいっぱいいましたからね。だんだんだんだん抜けられなくなってくるんですよ。だけども、やっぱり疑問でした。

ところが、私の研究所の研究の人はですね、一生懸命やってくれるんですよ。本当に一生懸命やってくれるんですよ。もう日夜、残業もしてくれるしね。困難な課題にあったら、それを何とか克服しようと思って、個人もグループでも頑張ってくれるんですよ。

でまあ、ある時から僕は少しずつ幹部の人にはですね、問いかけるようにしました。例えば、そういう人と一緒に外国に行ったりなんかしますとね、どうだろうかねと、飛行機の中でどうだろうかね、その本当に我々の研究ってやるべきなんだろうか、ということをいろいろお

話をしますとね、まあ誰もが、ほとんど100%ですね。目的はよくわからないが、頑張ってやりますという感じだったんですね。

それで私は、目的が不明確なのになんで頑張れるんだろうか。僕はそれできないんですよ。目的がはっきりしなければ、目的として自分が一生を捧げるような目標じゃないと、研究にも熱が入らないんですよね。

研究っていうのは、こう普通の作業と違いましてね、頭の活動なものですから、自分がやりたくなければ、もうそれでアイディアも出てこないんですよ、実は。ですからそこが非常に重要なんですが、日本人の一つの特徴で、がむしゃらな努力の目標はないと考えない。目的を考えずに、しかし日々頑張れる。

今の日本のお母さんがそうだったら、かわいそうですけどね。自分ががむしゃらに頑張って子供を育てている。本当に風邪一つ引いても、ものすごく心配する。しかし、子供が大きくなって就職する時に就職もできない。昔だったら、ルンペンとか乞食って言ったんですけど。そういうものしか、なりようがない。もしくは、中国のコンビニ行って働かなければならない。

そうしたら、絶望感に駆られるじゃないですか。それはですね、政治においても同じで、この30年間そうだったんですね。

政治というはまず構想がいるんですね。その前に思想がいるんですね。日本文明、日本人っていうのはどういう生活を送るべきか。人間は何が幸福なのかという思想がまずがあって。それに基づいて構想があるわけですね。

この30年間、高度成長である程度、家電製品も持てるし車も変えようと思ったらボロい車を買えるようになったが。今後の30年間、日本の政治はどうするべきか、経済どうするべきか、社会をどうするべきか、という構想があって。パラダイムって英語で言う時もあるんですけども、私はその方がちょっと合ってるような気もしますが。英語で話しますとね、やはり日本人は概略しかわかんないし、相互に意思がきちっと通じないもんですから、できるだけ少し不適切な日本語でも日本語使います。

それから構想があって、どういうふうに日本を30年間持っていくのかということが、まずありますね。ここまでは手段じゃないですね。それから戦略があります。そういう目標を到達するためには、対アメリカ政策、対中国政策、経済の基本的なやり方、教育の方法、科学技術を盛んにするべきかどうか、するならこういう方法っていうのが定まりますね。これが戦略です。

それから戦術。具体的にそれじゃあですね、対中国政策において軍備が必要であるということなれば、戦略的に必要となれば海軍を増やすのか、オスプレイみたいなヘリコプターがいるのか、という具体的な、核を持つべきか、ありますね。

科学技術といったら、化学技術というのはどこのところを強化していくべきなのか、ノーベル賞取ればいいのか、それとも平均的な力を上げるべきか。地方の大学の力を上げるのか、企業の研究能力を上げるのか、こうなりますね。これが戦術ですね。

それから政策があります。具体的にそれではこういうところに補助金出そうかとかね、橋を少し作っていかなきゃいけないかとかですね。こういう政策がありまして、まあ保育所を作んなきゃいけないか、これはみんな政策ですね。これにどのくらいの金を使うかってことになりますが、現在は皆ご存知の通り、国会は政策も議論してないんですよ。

岸田さんのあんまり悪口言いたくありませんが、岸田さんから思想も感じられないし、構想についての演説もない。戦略の演説もない。戦術は一部あるかないかぐらい。それで対策は

全部あって、むしろ政策というか対策があるっていう感じですね。これがやっぱり今の自由民主党ばかりでなくね、企業もそうですし、マスコミなんかがそれの極端な例ですね。まあその日本人の悪さを極端に拡大するとマスコミになるっていうそういうことですね。

今で言えば、それはまあ昔はね、バブル崩壊の後の戦略構想、思想構想の問題なんですが。今で言えば少子高齢化ですよ。子供の数が80万人を減ったと、になったということで、もう専門家はですね、口をそろえてもう異常事態だ異常事態だと言っておりまして。それで岸田さんは、なんか子供を産む時に足しになるような金を出すと、こう言ってるわけですね。

しかし、日本は今1億2000万なんですよ。もうちょっとありますけどね、1億2000万。それで、それはこういうピラミッド型でだんだん死んでいく時代です。今はもう箱型になりましてね、長方形、生まれた人がそのまま100歳とは言わないけど、90歳ぐらいまで持ち上がっている。

そうすると、その思想っていうのはですね、どういうのかっていうと、いやまあ日本はちょっと多すぎる。多すぎるっていうのは、例えば、ヨーロッパ諸国のまあまあ豊かな生活のところは可住面積あたり、国土面積ですね、住めないようなところは計算に入れませんから、可住面積あたり可住が可能な住むのが可能な面積当たり、だいたい日本の6分の1ぐらいですね。ですから、日本の人口で直せば2000万人ぐらいが適切だってことになります。

皆さんがいい国だいい国だっていうフィンランドはですね、550万ですから、日本の10分の1以下ってことですね。そうすると目標はどのくらいだったら、まあとりあえずそんなに極端なこと言わなければ、半分、6000万人ぐらいまでは下げなきゃいけないということになりますとね。100歳まで生きるとすると、1年に60万人の出生があるというのが目標になります。

だから、目標に到達しようとしているのに、80万人で異常事態だっていうわけですね。じゃあ、あなたどうするのと、みんなが長寿の方がいいですよね。みんなが長寿の方がいいってことは、90、100まで元気で長方形の人口分布で行った方がいいですよね。それがいいですよって言いますよ。あなたも長生きしたんですかって、したい。元気がいいですか、そうだ、と言いますね。

で人口はどのくらいがいいんですか、ヨーロッパぐらいがいいんじゃないですか、そうだ。そうすると、2000万ですね。フィンランドはどうですか、いいですね。いや、日本の20分の1ですよ。こうなるわけですね。

だから全部がバラバラなんです。要するに、思想、構想、戦略がないから、そこがないもんですから、ただ少子高齢化はいけないことだ、少子高齢化はいけないことだと言ってるんです。

少子化はいけないことだ、まだいいですよ。高齢化はね、自分自身は長生きで元気でいたいって言っんのに人は死んでくれって言うんですからね。ちょっと問題がありますよね。

まあこれが実は1990年から2020年までの日本の停滞になり。これからも必ず停滞しそうだというのは、2020年から2050年の30年間も停滞しそうだっていうのは、この日本人の根本的な、まあいいか悪いか知らないけど、性格によるんだろうと思います。

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