武田邦彦 ヒバリクラブ 文字起こし

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人間関係(6)「最悪の親子喧嘩」 令和5年2月27日_文字起こし

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ヒバリクラブご覧の皆様おはようございます。

今日はとあるところのですね、ホテルの中からヒバリクラブをお送りしますが。今日は非常に重要なといいますか、まあ人間関係のほとんどすべてって言ったらちょっと大げさなんですけども。そういったものを律するような原理原則と言いますか、大きなことをですね、今日はちょっとお話したいと。

 

題名はですね、親子喧嘩は最悪という風になってるわけですが。しかし、どんなものでもこの原理なんですね。人間関係が崩れるというのは全部この原理なんですね。

 

 

この調査はですね、非常に長い間長期的に大規模に行われて、1973年1983年1993年と、まあ30年間といいますか10年おきに3回ですね。まあ20年間つってもいいんですけど30年間10年に一遍ずつ調査をいたしまして、横軸が年齢なんですね。どの年の人がどう答えたかっということですね。

それから縦軸が、これがまたなかなか良くてですね。婚前交渉は是か非かということで、どっちでも言ったらちょっと表現が良くないんですが、まあ時代によってですね婚前交渉が認められているような時代もあって、自由な時代もあってですね、非常にこう厳密で絶対にいけないよっていう時代もあるっていう時代の変化とか社会ですね。日本ではどうだとか、中東ではどうだとか、全く違うというような、そういうその決まりきった道徳ではないところの代を選んでおりますね。それでグラフで線が上の方にあるのが、婚前交渉なんかとんでもないよっていう人の意見で、下の方に行けば行くほどまあいいじゃないかという風な答えを整理してるんですね。

 

そうしてみますと、黒い線が1973年で、赤いのがその10年後。青がまたさらに10年後ですからね。だんだんだんだん社会は線が低くなっていきますから、まあ婚前交渉ぐらいいいじゃないかという風に変わってくると。これは我々の常識とも合いますよね。昔は非常に厳しかったけど、最近では婚約するかしないかぐらいの段階でも2人で温泉に行ったりなどしてますからね。ですからまあ全体的にゆるくなってきてるって事は確かなんですね。

 

しかし詳細に見てみますとね。全部見ると少し難しいんで、赤い線だけ見てください。1983年の時の調査ですね。この時ですね年齢の若い人、だいたいまあ25以下の人はですね、婚前交渉していいじゃないかというのが80%から90%いましてね。ところが婚前交渉なんかとんでもない。例えば60歳ぐらいの人は80%が婚前交渉ダメだと言ってるわけですね。

つまり、30歳の人は婚前交渉いいじゃないか。60歳の人は婚前交渉ダメだと言ってるわけですね。でここだけまあ他も全部傾向同じですから、ここだけ取り上げますと、30歳っていうと、まあだいたい子供ですよ。息子とかね娘とか。60歳というと大体親ですね。そうすると婚前交渉、例えば、まだ結婚もしてないのに温泉に行くよなんて話聞いたらですね、親はダメだよ、そんなん。ちゃんと結婚してから行きなさい。せめて婚約なんかしなきゃダメだ。そんな自由にやったらダメだよってこういうわけですね。それから娘とか息子は何をお父さん言ってんのそんな古い時代じゃないわよ、とこういう風になるわけですね。これが実は親子喧嘩の一番の大きな原因なんです。もちろん親子喧嘩ばかりなくて、職場もそうですし、夫婦喧嘩もみんなこの原理なんですね。つまり、1983年で赤い線を見ますとね。なぜ親は60歳の人は婚前交渉がダメと言って、それで30歳の人はそのぐらいいいじゃないかというか、人間の意見の違うのは何かっていうのをこれよく示してるんですね。

 

なぜかと言いますと、時代とともにこう右によってるでしょ。ということはどういうことを意味してるかっていうと、時代によってその人の考えが変わる、違うってことなんですよ。これがね人間の一番難しいところなんですよ。つまり自分はこれが正しいと思ってる。しかし自分がこれが正しいと思ってるっていう事は、自分がじゃないんです実は。社会科がなんですよ。社会が正しいと思ってることを自分も正しいと思うっていうそういうことになってしまうってことですね。人間は。これは私がいつも言ってる、人間の頭の人間の頭の構造が欠陥があるんですよ。その社会で正しいと思ってることを自分の意見のように錯覚してしまうっていうね。そういう脳の作りなんですよね。また人間の脳っていうのは本当に困ることには。だから自分の意見のようにこう思ってしまうんですけどね。本当にそう思ってしまうんですよ。それで激しい人なんかはね、こうだこうだと言うんですけど、それはどうしてあなたがそうだと思うんですか?NHKが言ってたからとかね、新聞に書いてあったからとかいうことで、自分本来の考えじゃないんですよ。だから親子の関係っていうのは30年離れた社会の正しさをただ争ってるだけなんですよ。

 

具体的には親と子供が言い合ってんだけど、それは親と子供が言い合ってんじゃなくて、30年前の社会と今の社会の差をただわあわあ言ってるだけなんですよ。それはもちろん、これは時間だけですから。それで親子関係が最悪だとこのタイトルに書いたのはですね。もしも息子とか娘が素直で親の言うことを聞くとするじゃないですか、親がそう言うなら本当だろうなと思って聞くでしょ。親は30年前の正義を言ってるんですよ。で、娘や息子は今の正義を言ってるわけですね。じゃあ今の正義を言ってる人が30年前の正義を言う親に従ってしまったら、その子供はですね、それ以後30年前の考えでいくんですよ。そりゃそうですね。そうすると生涯諍いが増えちゃうんですよ。人間関係が上手くないですね。だって自分の身の回りは現在の人なんだから。例えば30歳の息子、30歳の娘はですね、友達も関係者もみんな今の正義で生きてる人なんです。親は30年前の正義で生きてるわけですね。ですから自分の考えを人に強く説得するっていうのはですね。この原理が働いちゃうからまずいんです。

 

私はよくね、あの武田さんでちゃんと意見言って言われるんですけどね。いや私の考えなんです、こう必ず言うんです。絶対的に正しいかどうかそれは私には分かりません。だけど人間っていうのは一歩一歩階段を上らないと正解に達しないという、もう一つの欠点があるんですね。飛んでねパーンと正解に行けばいいんですけど、まあ100年前100年後1000年後1万年後って僕にわかんないんですよ。だってごく最近だって私がいろいろ量子化学の説明したりして、えーってみんなが言うんですよ。全然違うじゃないの、アインシュタインの時ではアインシュタインの原理があり、ニュートンの時はニュートンの原理があり、それで量子化学量子化学の原理があるわけですからね。それを時代とともに変わっていかざるを得ないんで、人間は一足飛びに量子化学まで行けないんですよ。まずニュートンがいて、そしてまあ一応力学を整理してくれる、星の動きとかの整理してくれる。そして今度アインシュタインが出てきて相対性原理を整理してくれる。時間はどうなんだなんて言ってくれる。そして今度量子科学が精神と肉体とは物理的実態というのはこういうもんだ説明してくれる。これは学問の進歩であって、どんなに頭のいいアインシュタインだってですね、この人間の進歩に逆らうことはできないんですよ。だからもちろん僕も含めて全員がこの原理に従ってるんです。

 

これは社会現象ですけど、学問的にも社会的にも、例えば心理学とか哲学者とか、最近では脳科学者なんてちょっと偉そうなこと言ったりしてるんですけど、それは現在がそう考えられるっていうだけか、もしくは現在でも説がいっぱいありますからね。現在でもいろいろな考えがありますから、だから自分はこう考えるってこれを突き詰めて言うと私が言って時々誤解を招くんですが、私の言ってることは全部間違ってますよっていうのはそれなんですね。だってその時代の正しさでしょ。

 

だから1983年に60歳の人がこの婚前交渉ダメだっていうのはその時の正しさなんですよ。だからそれが30年たったらもう変わっちゃうんですよね。30年っていうのは時だけども、時ばかりじゃなくて場所、例えば日本とヨーロッパって全然考えが違うんですね。全然考え違うのにヨーロッパのものを無理やり日本なんか持ってくると、やっぱりそれは日本人を不幸にするんです。私ね、ヨーロッパかぶれの人がね、ヨーロッパではこうだヨーロッパではこうだと本当に嫌なんですよ。

 

なんでかといったら、その場所とか時間とかそういうのによって何が正しいかは変わっているということを認識した上で、よく考えてやっていただいたらいいんですね。一時僕が地方教育審議会の専門委員の時、日本の大学はドクターが少ないからドクターを増やしたい。日本の大学はっていうのはアメリカが多いってことなんですよね。ところ当時は工学系ですよ。私。工学系では日本の方が技術力も学力もみんな上だったんですよ。ということはどういうことかっていうと、日本は工学系のドクター少ないっていうのは少ないからうまくいってるんですね。

 

こういうのって多いんですよ。最近僕は悩んでるのは農薬ですね。農薬もね調べれば調べるほど害が少ないんですよ。いやいや僕は別に農薬に対して何か親近感がある全然違うんですよ。農薬ない方がいいんですよ。無農薬の方がいいんだけど、無農薬ってのを調べないと僕が科学者ですからね。

 

だからね本当にこう事実というか、真理っていうか正義っていうかね、それはまあ科学だと事実になるし。哲学的なものだと正義とかそうなるんですけども。これは非常に難しいというふうには、つくづく思うんですね。ぜひこのグラフをじっと見てですね。いやこういうもんかと、いうふうに思っていただければ、人間関係のトラブルはほとんどなくなります。私なんかもう全然そういうストレスありません。ぜひご活用いただければと思います。

 

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